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妊活に漢方薬と食事療法

不妊不育症

妊活を三年以上しましたが妊娠できず、婦人科でいろいろな治療を試しましたが子宝に恵まれませんでした。

 2種類の漢方薬による体質改善と食事療法の指導を受けた結果、子宝に恵まれました。

梅山先生のお話

 一般に不妊症の原因は西洋医学的には卵管の異常(狭窄・閉塞など)、子宮の異常(内膜ポリープ・腺筋症など)、排卵以上などと言われています。一方、東洋医学的な原因として多いのが、「①腎のエネルギー不足」と「②肝の慢性の気の滞り」の2つです。

 ①では月経の周期異常・冷え性・内膜ポリープ・不安・パニック障害や強迫症などの性スン症状が、②では月経の質的異常(月経痛・色・量・絡まりが出る等)・鬱や怒りっぽいなどの精神症状がよく現れます。また②は将来乳がんにかかりやすい体質でもあります。

 これらのような体は、いわば砂漠化した土地のようなものです。種が砂漠ではうまく育たないのと同じように、いくら最新の高度不妊治療を行ったとしても体が砂漠化していては効果もうまく現れません。自分の体を砂漠から肥沃な土壌に変えて初めて、素晴らしい種は育ち、実を実らせる事ができるのです。

 漢方治療や食事療法により体質改善をすることは、自分の体を砂漠から肥えた土壌に変えるようなものです。場合によってはそれだけで自然妊娠できるかもしれません。体質改善した上で最新の不妊治療をすれば、成功率も更に高まると考えられます。

 食事面で特に気をつけるべきなのは、体を冷やす食べ物の過食です。体を冷やすと、元来陽のエネルギー(体を温める)が弱い女性にとって冷えを助長する原因になりやすいのです。また動物性たんぱく質の過剰摂取も、腎の内熱をつくって腎のエネルギーを弱めることにもつながるので、気をつけるべきです。

なお、不妊治療を実地する季節については『黄帝内経』(東洋医学の古典)で「真冬は気のエネルギーが収束し閉じる時期」と述べているのを参考にすると、春から夏にかけて試みた方がよい結果につながりやすいと考えられます。〔ここまで以前インタビューを受けたVEGGY記事の引用〕

また妊娠できたとしても不育症と診断されてしまう方もいます。

最近では、不育症とは習慣性流産をも含め2回以上の反復流産あるいは子宮内胎児死亡をまとめて慣用的に不育症と呼んでいます。 不育症と一言で言ってもいろいろな原因により大きく分類されます。その中でも抗リン脂質抗体陽性タイプの不育症には著効な漢方薬があります。その他の抗核抗体陽性タイプ、自己免疫異常・同種免疫異合併タイプは、リンパ球移植は無効ですが、漢方薬は有効という結果が出ています。同種免疫異常タイプは、リンパ球移植は著効ですが、漢方薬も有効といわれています。 不育症といわれたら、ハードルの高いリンパ球移植やアスピリンヘパリン療法の前に気軽に試せる漢方薬はいかがでしょうか

 

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