東洋医学とは何か ーその特色を簡単にー
東洋医学とはどのような医学なのか。その特色はどこにあるのか。これらを簡単に述べてみたいと思います。東洋医学の治療は大きく二つに分かれます。漢方薬などの内服療法と、手を使った治療です。後者には鍼、灸、整体などの治療法があります。身体の内部からと、皮膚などを通しての外側から働きかける治療法と言えるでしょう。
その特徴はやさしい医学であり、かつ自然な医学という所にあります。やさしい医学とはどういうことでしょうか。苦痛を伴う治療法は一切なく、気持ちよくすることを目標とする医学だからです。漢方薬は苦いのではないか、と感じている方もいるようです。ですが、漢方薬は自然から取ったものであり、そんなことはありません。小麦が漢方薬として使われるほどです。むしろ身体に合ったときには、おいしく感じる人もいるくらいです。
鍼も決して痛いものではありません。注射針よりも細いものなのです。鍼も、整体も、マッサージも、身体を包み込むようにやさしく気持ちよくしてくれる治療法なのです。
自然な医学。これには二つの意味があります。一つは漢方薬のように自然なものを使う。今一つは東洋医学の考え方が、我々日本人には自然なものであるということです。言い換えれば、その考え方は身についるのです。
例を挙げましょう。「寒くてカゼをひいてしまった」「あの人は元気だから、カゼにかからない」という言い方。日常的に誰でも使う言葉であり言い方です。でもこれは東洋医学の考え方そのものなのです。そもそも「カゼ」という言葉自体、東洋医学の言葉なのです。「カゼ」は「風邪」とも書き、大地を吹く風が体内に入ると「風邪」となり、病気を引き起こす。これが東洋医学の病気に対する考え方、病態論なのです。「元気」という言葉自体も東洋医学用語の一つで、生命力や抵抗力を表す言葉なのです。
東洋医学は、猫のタマのように、身近にそしてあたたかく、自然に寄り添っている医学と言えるのではないでしょうか。
医療はご本人とわたしたちとの共同作業です。東洋医学の考え方に基づき、詳しくお話をお伺いしながら、病気をからだ全体との関係で、総合的にとらえて診療していきます。
東洋医学の効果が
高い分野
- 〔内科の病気〕
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- 全身的な病気カゼをひきやすい 疲れやすい 虚弱体質 病後の疲労 冷え性 慢性疲労症候群 肥満症 過労 感冒 自律神経失調症 不眠
- 胃腸の病気胃炎 胃弱症 消化不良症 下痢 便秘 過敏性腸症候群 胃潰瘍 食欲不振 つかえ ゲップ
- ホルモン・代謝の病気肥満型糖尿病 痛風 甲状腺機能低下症 バセドー病 高脂血症 ネフローゼ症候群
- 循環器の病気低血圧症 高血圧症 レイノウ症状 心臓神経症 動悸
- 「こころ」の病気自律神経失調症 心身症 不安神経症 軽度うつ病 パニック障害 緊張症 無感動症 無気力症 偏頭痛
- 他気管支喘息 慢性気管支炎 アルコール性肝障害 脂肪肝 膀胱炎 膀胱炎症状 頻尿 夜間尿 息切れ
- 全身的な病気
- 〔小児科の病気〕
- 虚弱児 蓄膿症 小児喘息 緊張症 肩こり症 夜間尿
- 〔婦人科の病気〕
- 月経不順 月経痛 月経前緊張症 月経後疲労 妊娠時の症状 出産後の不調 出産後うつ病 更年期障害 冷え性
- 〔目・鼻・口・頭の病気〕
- 花粉症 鼻炎 メニエール病 めまい 慢性頭痛 のどのつかえ 口内炎
- 〔骨・関節・筋肉の病気〕
- 肩こり 筋肉・関節痛 こむら返り 腰痛 五十肩 関節リュウマチ
- 〔皮膚の病気〕
- にきび いぼ 老人性皮膚掻痒症 じんましん アトピー性皮膚炎 脂漏性湿疹 化粧品かぶれ かゆみ 湿疹
漢方薬療法
2000年以上の歴史の中から
あなたに最適なものを
「漢方薬」は2000年以上の歴史を持ち、長い間人々の健康を守るために用いられてきました。自然の中で、力強く生きる生命の中から選ばれた薬で、最も安全で効果のある組み合わせが、現在にまで伝えられてきているのです。
当院では、煎じ薬(生薬をお一人ひとりに合わせて配合したもの)とエキス剤(顆粒:保険対応、保険外両方あります)などをご用意致しております。
薬のタイプも
多種多様
漢方薬といえば、煎じる薬というイメージが強いかもしれませんが、実はその種類は大変多いのです。大きく分けると、飲用するタイプ・軟膏タイプ・湿布タイプ・入浴剤タイプになります。
漢方薬治療の主役である引用するタイプには、煎じ薬(生薬)・エキス剤・粉末(散剤)・丸剤などが挙げられます。そこで、それぞれ長所と短所を考えてみましょう。生薬の場合は、さじ加減が容易で、最も個人に合う薬ができ、その効果も最も優れています。しかし、煎じなくてはならず、作るのに時間もかかり、携帯も困難です。中には部屋に匂いがこもったり、その味を嫌う人もいるようです。また、健康保険がききにくく、経済的負担を強いられる事も多いようです。
そこで、その不便さを解消する為に、最近よく使われるのがエキス剤です。これは、煎じ薬の湯気を急激に冷却させて粉末にしたもので、ちょうどインスタントコーヒーと同じ作り方です。そして、健康保険も適応されます。しかし、さじ加減はできません。
散剤は、生薬を細かく砕いて粉末にしたものです。丸剤は、この散剤を、長期保存が効くように、ハチミツと合わせて丸めたもので、より飲み易くなります。これらは、煎じる必要もなく、その効果も優れていますが、さじ加減はできず、ちょうど生薬とエキス剤の中間に位置する漢方薬です。健康保険は、ききません。
アルコールは薬の成分を出やすくする事を利用して作ったものが薬用酒です。飲み易いという利点がありますが、一般の診療所で処方する事はありません。
以上をまとめますと、本来は生薬を用いて、その人に合った薬を調剤するのがベストです。しかし、保険の問題を含め、患者さま側にとっては最も不便な薬と言えましょう。また、中にはエキス剤などで十分な(生薬でなくとも構わない)場合もあります。ですから、先生によく相談をすべきですが、理想的には最初は生薬を使い、ある程度症状が取れたところで、エキス剤を連用するのが良いでしょう。
鍼灸・整体
鍼治療とは?
はり(鍼)きゅう(灸)治療は、ハリとモグサをもちいて、からだに刺激を与え身体機能の調節をする物理療法です。また「自律神経のコントロール」「免疫力」「自然回復力=自然治癒力」を高めることから多くに病気や疾患に対して効果がある治療法です。
病気の方はもちろんですが、特に気になる症状がない方の病気の予防(未病)や健康維持(養生)にも非常に効果があり安全で安心できる治療です。是非、鍼灸治療で健康なからだを維持しながら元気で毎日をお過ごしください。
鍼について
鍼(はり)は、毛髪と同じくらいきわめて細い鍼(直経約 0.2 ミリ)を経穴(ツボ)に接触もしくは刺入します。その鍼の刺激によって筋肉の緊張を和らげ痛みを緩和し、血流が促進され血行が良くなります。
この鍼は、先端の形状や太さも注射針とは異なり、痛みを感じさせないように作られています。このため鍼を皮膚に刺してもわからないか、少しチクっと痛みを感じる程度で、ご心配はありません。また、プラスチックの管鍼(鍼専用の筒)を使用しますので、ほとんど痛みはありません。リラックス効果があり、心地良くなり眠くなることがしばしばあります。
*ごく稀に、刺激部位が腫れたり、微出血をすることがありますが、時間の経過とともに消失します。
灸ついて
灸(きゅう)は、「やいと、お灸」と一般的に言われ、最近では多くの女性が冷え症に対して行っています。その灸は、植物のヨモギから作られています艾(モグサ)を用いて温熱刺激を与えます。
この艾を皮膚の上で燃焼させ、温熱的刺激を与えることで、からだの変調を整えます。そのためお灸には、直接的に行うものと間接的に行うものがありますが、病気や症状によって使い分けをしながら、ご希望にあわせて温度を調節します。お灸の温もりで、からだの緊張がほぐれます。
*施灸部位にお灸の成分であるチネオールが皮膚に付着し黄色くなりますが、やけどではありませんので、自然になくなります。
鍼灸とは?
鍼灸は、経穴(ツボ)に機械的刺激である鍼と温熱的刺激である灸によってからだのつらい症状を軽減もしくは体質改善していく治療で、生活の質の向上(QOL)が期待できます。
その鍼灸は、古代中国を起源とし、からだには経絡(タテとヨコに流れる線)が存在すると考えられおり、そこには 356穴が点在していると考えられていました。その経穴には、それぞれ名称があり、伝統医学の診断に従って治療法が導かれ、ツボが選ばれますが、近年では改めて世界基準として正式に 361 穴が認められました。すなわち、鍼灸治療は漢方薬と同様で治療に用いるツボを患者さんのからだの状況に合わせてお選びしています。
予約について
鍼灸治療をご希望の方は、ご予約をしてご来院して戴ければお待たせいたしませんので、事前にご予約をお願いします。キャンセルをされる方は、ご予約待ちをされている方もおりますので、少なくとも2日までにご連絡ください。
*当医院は、予約制となっておりますが、診療状況によってお待たせしてしまう場合がございます。ご了承くださいませ。
服装について
お気軽に普段着のままでご来院してしても構いませんが、出来るだけ治療しやすいような服装でお越しください。鍼灸治療専用の着替えはありませんが、短パンのご用意はしております。
衛生面について
鍼は、使い捨てのディスポーザブル鍼を使用しておりますので、感染することはありません。
副作用について
薬のような副作用はほとんどなく、お子様からご高齢の方、または妊娠中の方など幅広く安心して受ける事ができます。
セルフコントロールケアについて
鍼灸治療は、即効性がありますが持続性に欠けますので、治療の補助療法としてご自宅ではり(簡易的なハリ)やお灸(間接灸)を行いたい方は、ご遠慮なく担当の鍼灸師にご相談ください。有料となりますが、ご指導いたします。また、遠方より来院するので、なかなか治療に時間が割けない方もお申し出て頂ければ、ご相談にのります。
*直接灸には、ヒートショックプロテイン(HSP)が増加することが期待されています。ご希望される方は、お申し出下さい。
以下のような症状や、その他何かお困り事が御座いましたらお声をお掛け下さい。心よりお待ち申し上げております。
肩こり、腰痛、膝痛、坐骨神経痛、五十肩、頭痛、めまい、メニエル氏病、突発性難聴、慢性疲労、更年期障害、月経不順、月経痛、不眠症、冷え症、自律神経失調症、アトピー性皮膚炎、不妊症、外傷の後遺症(骨折、打撲、鞭打ち、捻挫)、帯状疱疹後神経痛、脳卒中後遺症、喘息、胃腸病、甲状腺異常亢進、蓄膿症、眼精疲労、夜泣き、疳の虫、小児喘息、虚弱体質、慢性アレルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹、膀胱炎、陰部疼痛、カンジタ、痔疾など