漢方薬は長く飲まないと効果ないといわれます。やはりそうですか
漢方薬は長く飲まないと効かないとよくいわれます。結論からいえば、これは誤解です。漢方薬の効果は、病気の種類や体の状態、重症度、急性か慢性かなどによって一定ではありません。重症や経過の長い病気は治すのに時間がかかり、 軽症や経過の短いものは早く治療できます。これが原則です。
急性のカゼや胃痛などの場合には、1回から2回の服用ですぐ効果があらわれることも珍しくありません。生理痛や鼻水なども、すぐ効果があらわれるものです。
またたとえ慢性病や重症であっても、もしその漢方薬が体にふさわしければ、早ければ2日、遅くとも4~7日で、多少なりとも症状が取れてきます。もちろん重症であれば、この期間では全部の症状は取れませんが……。
長く見て、急性病であれば7日、慢性病や重症であれば2週間~1ヶ月服用して、少しの変化もなければその薬は体に合っていないといえます。このようなときには、薬を変える必要があります。当クリニックでは、原則として初診の場合は1週間、再診は2週間分の薬で様子をみますが、これはこのためです。
ただ体質改善や精神的な病気のときには、これよりゆっくりと効果があらわれるようです。長く服用しないとだめという俗説は、体質改善には長期の服用が必要ということが、誤って伝えられたのでしょう。