患者さんの声Gさん

食後の眠気に補中益気湯

食後の眠気

Gさんは細身の20代女性で、都内の会社で働く女性会社員の方です。

Gさんの話

元々、幼い頃から食が細いと言われていました。大きくなるために一生懸命に食べようとしていましたが、油っぽい食べ物を食べるとすぐに胃もたれしてしまい、コーヒーもあまり好きではありませんでした。

大学を卒業して、都内の会社に事務職として就職し、経理部門に配属されました。就職後3年が経ち、仕事にも慣れ、徐々に責任のある仕事を任されるようになり、残業する日も増えて来ました。

3か月くらい前から、昼食後に耐えがたい眠気を感じるようになりました。午後の会議では睡魔と戦っていましたが、ついに先日の会議中に居眠りしてしまい、上司から社会人としての自覚が足りないと叱られました。

会社の産業医の紹介で、睡眠専門医療機関を受診し、精密検査を受けましたが、睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーなどの病気ではなく、睡眠不足症候群と診断されました。睡眠時間を延ばすこと、昼休みに短時間の仮眠を取ることを指導され、カフェインの粉薬も頓服で処方されました。

睡眠時間は頑張って何とか平日6~7時間取るようにしましたが、午後の眠気は続きました。昼休みに仮眠を取ろうとしましたが、職場だと緊張してしまい眠れませんでした。カフェインの粉薬も試しに飲んでみましたが、胃が痛くなり、胸がドキドキしてしまい、1回で止めてしまいました。途方に暮れてしまい、産業医に再度相談したところ、漢方薬が効くかもしれないと言われて、藁をもすがる気持ちで受診しました。

補中益気湯という漢方薬を処方され、毎日飲むようにしたところ、午後の眠気は少しずつ良くなり、耐えられるくらいになりました。また、今までは残業が多くなると食欲がなくなり、朝起きても、すぐに起き上がれなかったのですが、補中益気湯を飲むようになってから、そのようなことはなくなり、元気に働いています。

担当医(加藤医師)の話

胃腸が弱い方のことを、東洋医学では脾虚と言います。Dさんは典型的な脾虚の方であり、食後の眠気や油物で胃がもたれるのは、脾虚の特徴的な症状です。西洋医学では、睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーと診断されなかった場合、カフェインが処方されます。脾虚の人はカフェインが苦手な場合が多いのです。補中益気湯は脾虚の人に使われる漢方薬で、食後の眠気を改善するだけでなく、食欲低下や疲労にも効果があります。

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